求人広告の注意点とは?~知的所有権編~

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求人広告と知的所有権は密接な関係にあります。商業広告ではないので問題にならないだろうという思い込みから、知らずに他人の権利を侵害していたということにならないようにしなくてはなりません。ここでは、求人メディアによく寄せられる知的所有権に関する代表的な問い合わせを4つご紹介します。

Q. 求人メディアA社に掲載した求人広告の応募反響が良かった。この内容のままB社にも転載したい。

A. 求人広告には、応募条件や雇用条件などだけでなく、広告主を求職者に理解してもらうために、求人媒体各社が独自にアピール内容を取材・編集して記載しています。写真やコピー、全体のレイアウト等々それぞれに著作権が発生する可能性があります。その場合の、著作権者は広告主ではなく、制作者やその会社となりますので、安易に他媒体で掲載した広告を転載することはできません。
トラブルを回避するため、著作権者との間で再使用の許諾について確認するか、改めて取材を受けて新しい求人広告を作成しましょう。

Q. ・社員旅行に行ったときの写真を、求人広告に載せたい。
・うちのお店は有名人のCさんが常連です。求人広告に「Cさんもよく来店されます」と記載して欲しい。

A. 「氏名権」や「肖像権」を侵害していませんか? 自分の肖像や氏名の不適当な使用を制限できる権利がありますので、求人広告に写真やコピーとして使用する場合にも、注意が必要です。無断で使用した場合、広告主・求人メディアとも訴えられる可能性があります。有名人の名前はもちろん、自社の社員が撮影した写真であっても、写りこんでいる建物や人物に事前に必ず使用許諾を確認しましょう。

Q. 全国でも有名なお菓子のDを販売会社から委託を受けて作っている食品工場です。D好きの求職者からの応募が期待できると思うので、製造商品としてDの名前や写真を求人広告に大きく出したいです。

A. 取り扱い(製造)商品だからといって、許可なく求人広告に掲載するのはいただけません。ブランドマークや社名・商品名等のブランドイメージの高さを利用して好感度を高めようとすることは”フリー・ライド(タダ乗り行為)”として問題となるので、事前に許可を得る必要があります。

Q. 地元の民間観光スポットEの近くに勤務先があります。「バイト帰りにEで遊べます」と本文に入れられませんか?

A. 観光スポットや施設、建物等の中には広告に使用することで経済的価値が生じるものがあります。これを無断に使用することは権利を侵害することにもなりかねません。事前申告による許諾を得れば使用可能な施設等もありますので、使用前には必ず確認するようにしましょう。