賃金支払いの基本
- カテゴリー: 労務・法律相談
人事担当者Tさん
給与の支給規定を作ろうと思うのだけど、給与額の他にどんなことを決めておかなければならないのかな?
Workin担当
労働基準法で定められている『賃金支払いの5原則』は押さえておきたいですよね
『賃金支払いの5原則』は基本のキホン
人事担当者Tさん
賃金支払いの5原則?
Workin担当
はい、①通貨払いの原則 ②直接払いの原則 ③全額払いの原則 ④毎月1回以上の原則 ⑤一定期日払いの原則 の5つの原則のことです
人事担当者Tさん
ふ~ん、具体的にはどんなことを定めたものなの?
Workin担当
簡単に言ってしまえば、賃金は【毎月1回以上の期日を決めて、直接労働者本人に通貨で全額支払わなければならない】ということです
人事担当者Tさん
なるほど、当然といえば当然のことだよね… ん? そういえばウチでは、社会保険を控除した金額を銀行振込で支払っているけど、これって5原則に違反しているってこと?
Workin担当
いえ、給与所得の源泉徴収、社会保険料の被保険者負担分の控除は法で認められていますし、労働者本人の同意が得られれば、労働者本人名義の口座への振込も問題ありません
人事担当者Tさん
そっか! それはひと安心
Workin担当
ただし、銀行振込であっても、『支払明細書』の交付が義務付けられていますので注意して下さいね。それと『賃金台帳』を作成して3年間は保存しなければならないこととなっています
『ノーワークノーペイの原則』も忘れずに
Workin担当
遅刻や欠勤した際の不就労分の賃金の控除のルールも定めておいた方がいいですよ
人事担当者Tさん
どういうことかな?
Workin担当
賃金には『ノーワークノーペイの原則』という原則もあるんです
直訳すれば『働かなければ支払わない』…
直訳すれば『働かなければ支払わない』…
人事担当者Tさん
直訳すれば『働かなければ支払わない』…
Workin担当
そうです。会社都合で仕事をさせない場合などには当てはまりませんが、労働者の都合で仕事をしなかった分については賃金を支払わなくてもいいんです
人事担当者Tさん
それも、当たり前と言えば当たり前だよね
Workin担当
でも、労働基準法には、賃金の内のどの部分を不就労分の控除対象とするか具体的には決められていないんです。だから就業規則などで予め算出方法等を定めておかないと『根拠のない減給』と見なされてしまいかねないんですよ
人事担当者Tさん
そうなのか、それはきちんと決めておかないといけないねえ
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