一般的な募集方法とそれぞれのメリット・デメリット

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人材の募集を行うことを決定し、具体的な求人の手段(=募集方法)を選ぶ時、どんなやり方が最適と言えるのでしょうか?ここでは、一般的な求人の手段である「ハローワーク」「求人広告(紙媒体)」「求人広告(WEB媒体)」の3つを取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

ハローワーク

職業紹介と雇用対策(事業主指導・支援を伴う)を一体的に支援することで、雇用のセーフティーネットとしての役割を果たす公共機関です。 求職者に対して無料で、職業紹介や就職支援のサービスを行っています。一方、求人を行う事業主も求人を無料掲載することができます。
厚生労働省の「公共職業安定所(ハローワーク)の 主な取組と実績」(「厚生労働省ホームページ」へのリンク)の平成31年1月版によると公共職業安定所の設置数は以下の通りです。

公共職業安定所の設置数

1. 設置数
544所(本所 436所 出張所 95所 分室 13室)
2. 人員体制
職員数 10,362人 相談員数 15,629人

メリット

多くの求職者に見てもらえる

平成30年度の1日の利用者数は約17万人(推計)です。また地方にも数多くのハローワークが設置(「ハローワークインターネットサービス」へのリンク)されているため、自社の求人票が求職者の目に留まり見てもらえる可能性は高いと言えるでしょう。

無料掲載・手続きも簡単

  • ア)事業所の住所を管轄するハローワークに出向く。
  • イ)初めての場合は事業所登録を行う。
  • ウ)求人の条件等を「求人申込書」に記入。
  • エ)求人が受理されると「求人票」が発行される。

ア~エまでのステップで自社の求人が各ハローワークに掲示されます。またウのステップで希望すればハローワークインターネットにも掲載することができます。なお掲載料はなく無料です。詳細はハローワークネットの提供する「求人申込み手続きの流れ(「ハローワークインターネットサービス」へのリンク)」をご覧ください。

助成金・補助金

ハローワークは前述の通り「雇用のセーフティーネット」としての役割を担っています。そのため、事業主のインセンティブとなりうる様々な助成金・補助金が用意されています。中でも新規の求人募集をする際には「従業員を新たに雇い入れる場合の助成金」があります。その一つとして安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れる場合の「トライアル雇用奨励金」などがあります。対象となる事業主にとっては1つのメリットと言えます。
詳細は「事業主の方のための雇用関係助成金」(「厚生労働省ホームページ」へのリンク)よりご覧ください。

 

デメリット

就業条件以上の「+α(プラスアルファ)」は伝えにくい

下記の求人票見本の通り、業務・職務に関わる記載欄は限られており、また写真は利用できません。職場の雰囲気や自社のアピールポイントなどを求職者に伝えづらいのは1つのデメリットと言えます。
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出典:ハローワークインターネットサービス (https://www.hellowork.go.jp/info/sitepolicy.html)

求職者にとって応募のハードルが高い

求職者の応募までの流れは①ハローワークの窓口に申し伝え面接日程を調整する、または②企業へ履歴書を郵送するとなります。民間の求人メディアなどの求人広告ではインターネットや電話から手軽に応募できるのが一般的ですので、求職者にとっては応募方法の点でハードルが高いと言えるでしょう。また上記の通り、求人票の記載内容が非常に限られたものになっていることも求職者にとって応募のハードルの高さになります。

 

求人広告(紙媒体)

駅・コンビニなど地域の様々な場所に設置されている求人情報誌(フリーペーパーがほとんど。一部有料誌。)と言われるもの。また新聞に折り込まれたり、ポスティングされる求人情報チラシと言われるものがあります。民間の求人広告メディアは数多く存在していますが、公益社団法人全国求人情報協会会員で求人広告の紙媒体を発行しているのは42社です(同協会HPで2019年6月に検索した結果)。

メリット

業務・職務内容を伝えやすい

下記は求人情報誌「WorkinFreeの求人広告見本」です。ハローワークの求人票と比べると写真が利用できたり、業務・職務内容を伝えるコピーにも目立ちやすく色づけされていたりと求職者に伝わりやすくなっています。
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担当者からアドバイスを受けられる

求人広告を作成するうえで、求人メディア担当者から広告表記・雇用条件についてアドバイスを受けられるのは1つのメリットです。自社では気付けない、広告で盛り込むべきポイントや自社のウリなどを担当者の客観的かつ専門的な視点でのアドバイスを受けることで、求職者への広告の「訴求力」が高くなり応募の可能性がより高まります。

地域のユーザーに届きやすい

多くの求人情報誌を発行する会社では、求職者の目に留まりやすいよう工夫を凝らしています。駅・コンビニのラックなど、求職者が生活する身近な場所で広く露出されるため、自社広告が求職者に認知される、つまり広告への「到達度」が高いのは大きなメリットです。
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一覧性が高くユーザーに発見されやすい

紙媒体の特徴は、パラパラめくることができること。また、上下左右の他の求人と比較できるという点で一覧性にすぐれているため、一度は見逃した求人広告でも目に留まる可能性があります。同じ業種やエリアなどでコーナー別に構成されていることが多いので、募集対象に合わせて、求職者に最も訴求できるコーナーを選択するのがひとつのポイントです。

 

デメリット

募集期間が限られる

求人情報誌により週刊・隔週・月刊と発行期間は様々ですが、基本的に次号発行とともに、前の号は入れ替えられます。このため、広告を出す会社にとっては募集期間が限られます。

発行後の修正ができない

求人情報誌は原稿を受け付けてから各所に設置する時間がかかります。そのため、「求人内容が変わった」や「雇用条件の表記を変えたい」あるいは(期間終了前に)「募集人数が埋まってしまった」となっても発行後の修正はできません。

広告(表示)スペースが限られる

求人情報誌によって広告表示サイズは様々ですが、紙媒体のスペースはそもそも全体の版サイズ(A4/AB版など)が決まっており、必然的に表記できる限界があります。枠のサイズの小→大で、掲載料金が異なることがほとんどですが、いずれにしても、必要な事項にある程度絞って広告の内容を考えることになります。

 

求人広告(WEB媒体)

昨今、多くのユーザーがパソコンやスマートフォンを通してWEBに載っている情報を閲覧しています。求人広告でもWEBが事業主が求職者へ求人を届ける必要不可欠なものとなっています。民間の求人広告メディアは数多く存在していますが、公益社団法人全国求人情報協会会員でWEB媒体を発行しているのは66社です(同協会HPで2019年6月に検索した結果)。

メリット

業務・職務内容を伝えやすい

紙媒体はハローワークの求人票と比べて業務・職務内容を伝えやすいと話しました。WEB媒体であればさらに内容を伝えやすくなります。求人情報誌と比べると文字数などの制限が少ないのが特長で、情報をより多く盛り込めるという点で紙媒体をリードしています。例えば、写真点数を増やすなどして、採用条件だけでなく、職場の雰囲気などを求職者に伝えることができるため、自社をよりアピールすることが可能です。

求人情報をより早く求職者へ届けられる

印刷~配送がないため、掲載までスピーディーに行えます。広告の表記修正や停止などにも比較的柔軟に対応してもらえます。

WEBを利用する数多くのユーザーに届きやすい

総務省の発表する「平成30年版 情報通信白書」(「総務省ホームページ」へのリンク)によるとWEBの平日の平均利用時間は、2013年から2017年にかけ77.9分→83.6分→90.4分→99.8分→100.4分と増加傾向にあります。WEBを日常的に利用している求職者も増えており、WEB媒体に求人広告を掲載することで、WEBを使って情報収集する求職者に届く可能性が高まります。

応募のハードルが低く、応募者を集めやすい

WEB媒体に求人広告を掲載することで、いつでもどこでも求職者に見てもらうことができます。WEB応募も受け付けると24時間受付可能となりますので、求職者にとって応募のハードルが低くなり、応募者を集めやすくなります。

 

デメリット

求職者の希望条件と違う場合、自社求人の広告を見つけてもらいにくい

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紙媒体と異なり、WEB媒体では求職者が始めから希望の条件を絞り込んで求人広告を閲覧することが多いため、掲載している求人広告が求職者の希望する職種や業種、条件と異なる場合、見つけてもらいづらいことになりがちです。多様性ある求職者層からの応募を求めることにはあまり向いてないかもしれません。最初からターゲットとなる求職者像をある程度絞って、その人たちに訴求していくような方法がWEBでの求人のコツと言えるでしょう。

※求人メディアWorkinのように、紙媒体とWEB媒体を連動させているケースもあります。