求人広告の注意点とは?~最低賃金編~
A. 同一職種・業界であっても、必ずしも同じ求人原稿を使えるわけではありません。違う都道府県で採用活動を行う場合には、最低賃金について注意が必要です。
労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならない。」という理念をかかげさまざまな条件を定めています。賃金に関しては、更に原則として下回ることが許されない下限賃金を都道府県毎に定めています。これを一般的に「最低賃金」と呼んでいます。これまで利用していた求人原稿を転載すると、他都道府県では最低賃金を下回ってしまうことも考えられます。
異なる都道府県で採用活動を行う場合以外にも、以下2つのケースは注意が必要です
[試用期間中について]
試の使用期間(いわゆる試用期間)であっても、原則として「最低賃金」を守らなくてはなりません。例外として、業種や職種の実情等からみて、最低賃金を減額する相当の理由がある場合に限り、減額の特例が適用できます。ただし、最低賃金額の20%以内であること、また期間は最長で採用から6ヶ月以内であること、ならびに都道府県労働局長の許可が必要となります。
求人広告での基本的な給与額は正しいものに直しても、試用期間中の給与額が最低賃金額を下回っていたというケースはよく見られますので、注意しておきたいところです。
[最低賃金の発効日は異なる]
最低賃金額は毎年10~11月に改定されていますが、その発効日は都道府県毎に異なります。他県で募集する場合や、複数の都道府県にまたがって募集する場合などは、この時期に注意です。下記に令和元年度の都道府県別の最低賃金額および発効日を記載しています。
都道府県名 | 時間額(円) | 発効年月日 |
---|---|---|
北海道 | 861円 | 2019年10月3日 |
青森 | 790円 | 2019年10月4日 |
岩手 | 790円 | 2019年10月4日 |
宮城 | 824円 | 2019年10月1日 |
秋田 | 790円 | 2019年10月3日 |
山形 | 790円 | 2019年10月1日 |
福島 | 798円 | 2019年10月1日 |
茨城 | 849円 | 2019年10月1日 |
栃木 | 853円 | 2019年10月1日 |
群馬 | 835円 | 2019年10月6日 |
埼玉 | 926円 | 2019年10月1日 |
千葉 | 923円 | 2019年10月1日 |
東京 | 1,013円 | 2019年10月1日 |
神奈川 | 1,011円 | 2019年10月1日 |
新潟 | 830円 | 2019年10月6日 |
富山 | 848円 | 2019年10月1日 |
石川 | 832円 | 2019年10月2日 |
福井 | 829円 | 2019年10月4日 |
山梨 | 837円 | 2019年10月1日 |
長野 | 848円 | 2019年10月4日 |
岐阜 | 851円 | 2019年10月1日 |
静岡 | 885円 | 2019年10月4日 |
愛知 | 926円 | 2019年10月1日 |
三重 | 873円 | 2019年10月1日 |
滋賀 | 866円 | 2019年10月3日 |
京都 | 909円 | 2019年10月1日 |
大阪 | 964円 | 2019年10月1日 |
兵庫 | 899円 | 2019年10月1日 |
奈良 | 837円 | 2019年10月5日 |
和歌山 | 830円 | 2019年10月1日 |
鳥取 | 790円 | 2019年10月5日 |
島根 | 790円 | 2019年10月1日 |
岡山 | 833円 | 2019年10月2日 |
広島 | 871円 | 2019年10月1日 |
山口 | 829円 | 2019年10月5日 |
徳島 | 793円 | 2019年10月1日 |
香川 | 818円 | 2019年10月1日 |
愛媛 | 790円 | 2019年10月1日 |
高知 | 790円 | 2019年10月5日 |
福岡 | 841円 | 2019年10月1日 |
佐賀 | 790円 | 2019年10月4日 |
長崎 | 790円 | 2019年10月3日 |
熊本 | 790円 | 2019年10月1日 |
大分 | 790円 | 2019年10月1日 |
宮崎 | 790円 | 2019年10月4日 |
鹿児島 | 790円 | 2019年10月3日 |
沖縄 | 790円 | 2019年10月3日 |
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