介護職の仕事内容について|どんな魅力ややりがいがある?
高齢化に伴い、介護スタッフの需要が年々増加しています。また、これからAIなどの最先端技術によって多くの職がなくなっていくと言われている中でも、看護師や介護士などは生き残っていくと言われています。
やはり、どれだけAIなどの技術を向上させていっても、人の痛みや苦痛を取り除いたり、気持ちに寄り添ったりする職業の代わりは難しいということでしょう。
こういった時代背景から、介護職に興味を持たれている方も多いでしょう。ですが、介護職といっても、働くことができる施設は様々です。
そこで今回は、介護職の仕事内容や働くことができる施設などについてお話しします。
介護職の主な仕事内容
介護職の基本的な仕事は、以下のようなものがあります。施設によっては、24時間体制で仕事を行うことも。その場合、交代制の勤務がほとんどです。
食事介助
何らかの理由で食事を自分でとることができない方に対し、適切な量・ペース・姿勢でお食事を提供し、美味しく召し上がっていただけるようにサポートします。
入浴介助
一人での入浴が難しい方の衣類の着脱、届かない部分の体を洗う、入浴時の転倒防止などを行います。
浴槽をまたぐことができない方のために、機械浴を使用することもあります。
排泄の介助
排泄は体の健康を把握することができる重要なものです。
ただ、排泄はとてもデリケートな部分ですよね。
「一人でトイレに行けない」
「トイレに間に合わなかった」
と恥ずかしさやストレスを感じてしまう方もいらっしゃいます。
言葉かけに配慮しつつ、素早くそして丁寧に排泄後の清拭を行い、清潔を保てるよう介助します。
移動の介助
足、腰などの筋力の低下や痛みなどにより、杖や車椅子を使用して移動される方もいらっしゃいます。
補助具などを使用していても、転倒してしまうこともあります。その転倒がきっかけで骨折や寝たきりにつながってしまうこともあるのです。
介護者は、スムーズに安全に移動できるよう介助を行います。
レクリエーション
施設にもよりますが、介護職員がその日のレクリエーションを考え、利用者様・患者様の皆様に参加していただきます。
レクリエーションでは楽しんでもらい笑顔になっていただくことはもちろんですが、体を動かし、声を出すことで身体機能の維持・回復することが主な目的です。
部屋の掃除や洗濯
部屋の清掃や環境整備も介護職の仕事です。
綺麗な空間で過ごしていただくことはもちろんですが、感染防止や床にものが落ちていることによる転倒予防といった意味合いもあります。
また、体が思うように動かない方に代わって衣類やリネンを洗濯することもあります。
家族へのアドバイスやコミュニケーション
面会に来られたご家族に、普段の様子や帰宅後の介護のコツなど、情報提供をすることがあります。
どういった施設で働いている?
次に、介護職員がどのような施設で必要とされているのかお話しします。
特別養護老人ホーム
日常生活で介護が必要な高齢者が入居し、介護サポートを受けながら生活する施設。
基本的には、要介護3以上の高齢者が入居可能です。
入浴・食事・排泄・移動の介助、ベッドサイドなどの環境整備や入居者とのコミュニケーションを行います。24時間体制の施設がほとんどのため、夜勤勤務もあります。
介護老人保健施設
在宅復帰を目的とし、リハビリを中心としたケアを提供する入居施設です。
基本的には、要介護1以上の方が入居可能。
入浴、食事、排泄、移動の介助などに加え、リハビリスタッフとの連携やレクレーションを行うこともあります。こちらもほとんどの施設が24時間体制のため、夜勤勤務もあります。
有料老人ホーム
民間企業が運営する施設で、介護付・住居型・サービス付などに分かれており、種類も様々です。
施設によってレストランやサロンなどがあり、高級ホテルのようなサービスを提供するところもあります。
入浴、食事、排泄、移動の介助などに加え、イベントの開催やきめ細やかなサービスの提供が求められます。
デイサービス
デイサービスでは日帰りで施設にお越しいただき、入浴・食事・レクレーション・リハビリなどのケアやサービスを提供します。
入浴、食事、排泄、移動の介助などに加え、利用者様に楽しんでいただくこと、コミュニケーションをとることも重要な仕事の一つです。
訪問介護
利用者様の自宅に伺い、身体介護・調理・買出し・部屋の掃除を行います。
中には、1日に複数のご自宅に伺うことも。
その日の様子を記録し、ケアマネージャーと連携をとって必要なケアを提供します。
病院
病院では、看護師の補助も業務の一つです。
入浴・食事・排泄・移動の介助などに加え、医療器具の管理やリネン交換・配膳なども行います。
このように介護職員が活躍できる場は様々。
施設ごとに働き方が違うこともありますので、自分にあった施設を選択することが可能です。
介護職の1日のスケジュール
ここでは、介護職の1日のスケジュールについて紹介します。
施設や病院など、勤務先によってスケジュールや内容は異なるため、参考程度にご確認ください。
8:30【出勤】
ミーティングや当日の利用者の各種スケジュール、容態の確認などを行います。
9:00【送迎】
利用者様の送迎を行います。
10:00【利用者様の来所】
利用者様が来所したら、まず血圧や体温測定などをはじめとした、バイタルチェックを行います。
11:00【アクティビティ】
機能訓練や各種アクティビティを行います。
12:00【昼食】
昼食前には、必要に応じて嚥下体操を行います。
昼食の時間になったら配膳を行い、必要な利用者様には、食事介助をします。
昼食後に、必要に応じて服薬を行います。歯磨きをし、トイレへの誘導、排泄介助を行うこともあります。
13:00【休憩・個別対応】
昼食後、休憩が必要な利用者様に対しては、ベッドへの誘導を行います。
14:00【集団レクリエーション】
複数の職員と協力して、集団レクリエーションを行います。
16:00 【利用者様帰宅】
利用者様を自宅まで送ります。
17:00 【雑務】
その日の分のカルテ記入や、掃除などを行います。
17:30【退勤】
仕事を終えて退勤します。
介護職の魅力ややりがい
さまざまな業務を担う介護職ですが、どのようなところに仕事のやりがいがあるのでしょうか。ここでは、介護職の魅力ややりがいについて紹介します。
「ありがとう」と言ってもらえる
介護職は、介護が必要な方の生活をサポートする仕事です。1日の中でも多くの場面でさまざまな方と接するため、感謝の言葉を伝えられることが多いです。
また施設の利用者ご本人だけでなく、家族とも接する機会が多いです。面会に来たときや電話連絡をしたときなどに「ありがとう」と言われることが多くあります。
もちろん、介護の現場は感謝されることばかりではありません。しかし、利用者様と少しずつ会話を重ね、信頼関係を築いていく中で感謝の思いを伝えられると、大きなやりがいにつながっていくでしょう。
性別や年齢、経験に関係なく働ける
介護職は女性が多い業界ですが、近年は男性も増えてきました。年齢層も幅広く、若い世代はもちろん、40~60代などミドル世代やシニア世代で働いている人も多いです。年齢や性別に関係なく働けるのも、介護職の魅力といえるでしょう。
またまったく別の分野からの転職やブランク明けの方も多く、未経験が歓迎されやすいという特徴もあります。経験はなくても介護に関心があるという方や、育児や家事、介護などでしばらく仕事を離れていたという方でも挑戦しやすい仕事です。
働き方が選べる
介護職は一般企業で働くのと違って、いろいろな働き方があります。正社員から短時間のパートなど、生活スタイルや働ける時間に合わせやすいことが魅力です。
日中だけ働きたいなら、日勤のみのシフトがある介護施設やデイサービスなどがあります。夜勤がある職場は夜勤手当が支給されるので、より高収入を狙うことができます。夜勤ありの職場を選んだり、入所型介護施設の夜勤専従スタッフとして働いたりするという選択も可能です。
人生の先輩から学びを得ることができる
利用者様の多くは、スタッフよりも年齢を重ねている人です。そのため、介護職をやっていると必然的に、自分よりも長く生きている人と接する機会が多くなります。
そうした人生の先輩とのふれあいから、さまざまなことを学べるのが介護職の大きな魅力と言えるでしょう。
人の役に立つことができる
介護施設の利用者様は、主に加齢によって身体機能が衰え、日常生活を送ることが困難な方もいます。
それだけに、スタッフのサポートや指導によって、利用者様が今までできなかったことを克服したときの喜びは、ひとしおだと言えるでしょう。
介護職の大変な点
ここでは、介護職の仕事の中で、大変だと感じられやすい点について紹介します。
体力的にきつい
介護職の仕事は、随所に力仕事があります。たとえば入浴や排泄などの介助作業や、利用者様の送り迎えの際の車の乗り降りのサポートなどです。
しかも、こうした作業は日常的に行うため、介護職は体力勝負の仕事になるでしょう。
利用者様の体調の急変
介護施設の利用者様の中には、体調が不安定で、ささいなことで体調が崩れるケースもあります。そうしたときにも、スタッフには的確で冷静な判断と処置が求められるのです。
また、身体能力に不安のある利用者様の場合は、低い段差であってもつまずくことや、階段の上り下りの際に転倒することがあります。そのような不慮の事故にも常に注意が必要です。
そのため、常に緊張を強いられることがスタッフにとって大きな負担になることがあります。
人間関係に悩みを抱えやすい
介護施設では、人間関係も大きなストレス要因になることがあります。スタッフ間だけでなく、たくさんの利用者様やその家族とも関わるので、人間関係が負担に感じる方もいるでしょう。
介護職に向いている人の特徴
最後に、どのような人が介護職に向いているのかいくつかご紹介します。
体力がある人
介護は入浴や移乗・排泄など生活をサポートするため、体力や力が必要になることが多いです。要介護度が高い方が多い施設であれば、介助を求められる場面が増えるため、より体力が必要になります。
また、広い施設は業務のたびにあちこち移動しなくてはならず、夜勤のある施設であれば不規則な生活にも耐えなくてはなりません。健康的で体力があることは、介護職にとってとても大事なポイントです。
細かなところに気配りできる人
「こんなサポートがあったら気持ち良く過ごしていただけるかも。」など、生活する上でちょっとした気遣いができて思いやりのある方は、介護職に向いていると言えます。
介護施設は利用者様にとって生活の場です。快適に過ごすためには何が必要かを常に考え、不調に早く気が付けるよう細かな観察をすることが重要です。
介護職には、利用者様やそのご家族の立場になって考え、行動することが求められます。
人の話を聞くのが好きな人
コミュニケーションは生活をサポートする上でとても重要です。
話を聞いてくれる人がいると言うだけでも生活の質の向上につながります。
トラブルを冷静に対処できる人
介護職は人と接する仕事である以上、トラブルが起きることもあります。利用者様同士、利用者様と介護職の間でも問題が発生することがあるため、それらに冷静に対処することが求められます。
トラブルがなかったとしても、毎日同じ業務とは限らないため臨機応変な対応が必要です。なにか起きたとしても、感情を大きく出さずに落ち着いて仕事をこなせる人は介護職に向いているといえるでしょう。
オンオフの切り替えができる人
介護職は人と接することが仕事の中心になるため、感情を重ねてしまったりトラブルに巻き込まれたりしてストレスが溜まることが多いです。うまく息抜きできないとストレスを溜め込み、仕事がつらくなったり体調を崩してしまったりすることもあります。
ストレス発散になる趣味を持つ、終業後は仕事のことを考えないなど、自分なりの切り替え方法を見つけて、試すことが大切です。オンオフの切り替えをうまくできることは、介護職を長く続けていく秘訣といえるでしょう。
介護職にとってあると良い資格
ここでは、介護職に資格が必要なのか、あると良い資格について紹介します。
無資格でできる
実は、介護の仕事は特定の資格を持っていないとできないわけではありません。もちろん、資格を持っていれば資格手当や専門的な業務に従事できるといったメリットはありますが、資格がなくても介護施設で働くことは可能です。
とは言え、やはり資格を持っている人に比べると、無資格の場合は携われる仕事に制限があります。無資格でできる介護の仕事としては、食事の用意や清掃などに限られるので、幅広く仕事をしたい場合は介護系の資格をとっておくに越したことはないでしょう。
資格が必要な仕事もある
介護施設での仕事をする場合におすすめの資格として、介護職員初任者研修があります。前述のとおり、無資格の場合は基本的に、介助業務などの利用者様の体に触れる必要のある業務はできません。しかし、介護職員初任者研修の資格を取得すれば、食事・着替え・入浴介助といった身体介助の仕事ができます。
介護福祉士実務者研修の資格も便利です。この資格を取得することで、介護施設内でサービス提供責任者として、介護サービス作成やサービス実施内容の管理などができるようになります。
介護系の資格の中で、唯一の国家資格が介護福祉士です。この資格があれば、介護スタッフチームのマネジメントなどをはじめとする管理者としての業務も手掛けることができます。
さらにケアマネージャーの資格があれば、ケアプランや介護計画の作成なども行えるようになるのです。
まとめ
今回は、介護職の仕事内容や働くことができる施設・向いている人などを紹介してきました。
介護職は、医療スタッフの一員として利用者様・患者様の命を預かる責任のある仕事です。
体力的にハードな部分はありますが、それ以上にやりがいを得ることもできます。
気になる方は、ぜひ介護職を転職の候補に入れてみてください。
介護職の求人を探すならWorkinをご利用ください。検索機能が充実しているので、条件に合う仕事を見つけやすくなっています。